ホルツのクリア塗料には大きく分けてアクリル系ラッカー塗料と2液性ウレタン塗料の2種類があります。
今回紹介する2液性ウレタン塗料「タフウレタン クリア」(商品ページamazon)は、塗料と硬化剤の2液が混合されると硬化し塗膜が成形されます。2液反応硬化型ならではの塗膜の厚さ、透明感、ツヤの美しさで天候(耐候性)やガソリンにも負けない強靱な塗膜性能を発揮します。
注意点は2液が混合すると反応が始まり、6時間以内で作業を完了する必要があります。その後は硬化してしまうので使用することはできません。1回使い切りではありますが、その分プレミアムな塗料でこだわりの塗料をお求めの方におすすめです。
補修ボディカラー塗装後の上塗りとしてはもちろん、シビアコンディションで使用される自動車やオートバイのボディ、パーツ、ヘルメットやガソリンタンクなどの外面保護としてもおすすめします。ワンランク上のクリア塗料をお求めの方にぜひお試しいただきたいです。
●耐候性・耐ガソリン性・耐衝撃性に優れた2液性ウレタン塗料
●速乾性で超耐久・強靭な塗膜を形成
●塗布面積は、2~3回塗りで0.9~1.4㎡ (塗り方や下地により差が出ます)
一方、アクリル系ラッカー塗料は、一般的な塗料で溶剤が揮発することで乾燥し塗膜が成形されるので乾燥が早く作業効率に優れています。
タフウレタンクリアとクリアペイント300 A-4を塗り比べてみた!
ボディカラーだけを塗装したボンネット(「クリアペイント300 A-4」(商品ページamazon)で紹介)に2液性ウレタン塗料「タフウレタン クリア」を塗っていきます。
*左側にはアクリル系ラッカー塗料「クリアペイント300 A-4」が塗装された状態でツヤが出ています。
最初に塗布面を「シリコンリムーバー」(商品ページamazon)でしっかり脱脂します。
続いて2液性ウレタン塗料「タフウレタン クリア」の準備です。
まず缶底のネジキャップを外し逆さま(ネジ側)にして最後までねじ込みます。
30回程度よく振って攪拌し10分程度置きます。その間に塗料が反応するように3~4分ごとに30回程度よく振って攪拌してください。
静置後、容器を30秒程よく振り、硬化剤を混ぜます。
いよいよ塗装です。 再度脱脂して塗装面から20㎝前後離して平行に均一にスプレーします。
2回目からも厚塗りせず、薄めに均一に4~5回程度塗り重ねます。
(慌てず重ね塗りは5~10分程度の間隔をあけましょう)
※乾燥が進むとレベリング作用で自然に光沢感が出てきます。
仕上りをタフウレタン クリア缶の映り込みで比較してみます。
左側のアクリル系ラッカー塗料「クリアペイント300 A-4」に比べ、右側の2液性ウレタン塗料「タフウレタン クリア」の方がシャープでシットリとしたツヤが出ています。
自然な仕上がりでコスパ重視ならアクリル系ラッカー塗料「クリアペイント300 A-4」、くっきりでしっとりした仕上りでプレミアム塗料をお求めなら2液性ウレタン塗料「タフウレタン クリア」がおすすめです。
※アクリル系ラッカー塗料「クリアペイント300 A-4」もコンパウンド(商品ページamazon)でツヤ出しすればタフウレタン同様の仕上げが可能です。次回以降の事例でツヤ出し作業を紹介します。
次に塗膜の強さの比較テストをしてみます。
先程の比較同様に左側にアクリル系ラッカー塗料「クリアペイント300 A-4」、右側に2液性ウレタン塗料「タフウレタン クリア」が塗られています。
まずは鉛筆で引っかいて、どのくらいの堅さでキズが付いてしまうか比較してみます。
使用する鉛筆はHB~6Hまで、さて結果はどうなるでしょう?
結果は
左側のアクリル系ラッカー塗料「クリアペイント300 A-4」はH、右側の2液性ウレタン塗料「タフウレタン クリア」は4Hでキズが入りました。
タフウレタンの塗膜はキズにも強い事が分かります。
次にラッカーシンナーを使って溶剤に対する強さの比較をしてみます。
ラッカーシンナーとは塗装をはがしたい時に使うくらい強い溶剤になります。
両方の塗装面にたっぷりとラッカーシンナーを吹き付けて拭き取ってみます。
左側のアクリル系ラッカー塗料「クリアペイント300 A-4」は塗料がはがれてしまいました。右側の2液性ウレタン塗料「タフウレタン クリア」は全くはがれていません。
アクリル系ラッカー塗料「クリアペイント300 A-4」はコストパフォーマンスに優れ、失敗してもラッカーシンナーではがす事ができるので、初心者の方や簡易的に補修しておきたい方向けの塗料になります。
2液性ウレタン塗料「タフウレタン クリア」は溶剤にも強く耐候性が高いため、ガソリンや太陽光、温度・湿度の変化、風雨などの気候の変化に対する変形・変色・劣化が起こりにくい性能を持っています。
しっかりとキレイに長持ちさせたい方の塗料です。
求められる性能や環境に合わせて選択いただけたらと思います。
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